40代はランニングフォームを直すべきか?|ストライド走法を試して気づいた”自分のフォームで走り続ける”という正解

ランナー体験談

走り始めてしばらくたったある日、ふとガラスに映った自分の走り姿が目に入った。

「あれ、こんなにこじんまり走ってたんだ」

ピッチ走法で、歩幅は小さく、腕の振りも弱い。正直、思っていた自分とかなりちがった。

それから「フォームを直したい」という気持ちが芽生え、いろいろ試してみた。

この記事は、そのときの実体験をもとに書いている。結論から言うと、40代は無理してフォームを直さなくていい。でも、そう思えるまでには少し時間がかかった。

走り始めて気になった、ガラス越しの自分

走り始めて数ヶ月が経ったころ、川沿いのコースでガラスに映った自分の姿を偶然見た。

想像していたよりずっと「小さい走り」だった。

ピッチ走法で足を細かく動かしてはいるものの、歩幅は狭く、腕の振りも控えめ。どちらかというと、女性ランナーのような印象だった。

そのとき頭に浮かんだのが、高岡俊成さんのフォームだ。

背筋がすっと伸びて、腕の振りも大きく、ストライドがダイナミック。「ああいうふうに走れたらかっこいいよな」と思った。

悪くはない。でも、もっとかっこよく走りたいという気持ちが、その日から生まれた。

気になっていたのは”猫背”と”腕振りの弱さ”

自分のフォームで特に気になっていたのは、2つ。

猫背気味の姿勢と、腕振りの弱さだ。

ピッチ走法では足の回転数で稼ぐ分、上半身の動きが小さくなりやすい。結果として、前傾が強くなり、腕の振りも窮屈になる。

「背筋を伸ばして、腕をもっとしっかり振れば、ダイナミックなフォームになるんじゃないか」そう考えた。

ストライド走法を意識して走ってみた

フォームを変えようと、ストライド走法を意識して走り始めた。

一歩一歩の歩幅を広げ、腕を大きく振る。足の蹴り出しも意識した。

最初の数百メートルは「なんかかっこいい気がする」と思っていた。

でも、1kmも走らないうちに、体が正直に反応し始めた。

疲れの出方がいつもより明らかに早い。そして股関節に、じわじわとした違和感が出てきた。「これ、続けたら痛めるやつだ」という感覚があった。

フォームを意識して走ると、何が起きるか

フォームを変えようと意識して走り始めて、すぐに気づいたことがある。

「そもそも、自分のフォームを確認する手段がない」ということだ。

屋外のランニングコースに鏡はない。川沿いでも、公園でも、自分の走り姿をリアルタイムで見る方法はほとんどない。

ジムのトレッドミルならどうか。試してみたが、少なくとも自分が使っているジムのトレッドミルには、フォームを確認できるような鏡は設置されていなかった。

つまり、フォームを意識して走っても、それが正しい方向に向かっているのか確認する術がない。

「ストライドを大きくしよう」「腕をしっかり振ろう」と頭の中で意識はする。でも、実際にそれが理想のフォームになっているかどうかは誰にもわからない。

走りながら考えていたのは、正直なところ「自己満足でやっているだけかもしれない」ということだった。

フォームの改善には、コーチや鏡、動画撮影など、客観的な確認手段が必要だ。それがない状態でフォームだけを意識しても、ただ走ることへの集中力が下がるだけになってしまう。

「無理して変えなくていい」と気づいた瞬間

股関節の違和感が決め手になった。

体が「このフォームは合わない」と言っているような感覚だった。

意識してフォームを変えようとすると、普段使わない筋肉や関節に負荷がかかる。特に40代は、回復力が若いころより落ちている。無理な変更は、ケガのリスクに直結する。

「完璧なフォームを目指すより、今のフォームで走り続ける方がいい」

そう気づいたのは、体が教えてくれたからだ。

ケガへの不安がある方は、こちらも参考になる。
40代ランナーが繰り返した膝痛・すね痛|原因・対処法と筋トレで故障が激減した実体験

そもそも、ピッチ走法は”悪いフォーム”なのか?

ここで少し整理しておきたい。

ピッチ走法とストライド走法、どちらが正解という話ではない。

ピッチ走法(歩数を増やして走る)は、着地衝撃が分散しやすく、ケガのリスクが低いとされる。特に40代以降のランナーには合っている場合が多い。

ストライド走法(歩幅を大きくして走る)はスピードが出やすい反面、筋力や柔軟性が必要で、急に変えると体への負担が大きい。

「ピッチ走法=かっこ悪い」ではない。自分の体に合ったフォームが、結果的に一番いいフォームだ。

膝への不安を感じている方は、こちらも参考にどうぞ。
ランニングで膝が痛い40代へ|やってはいけないNG行動5つと痛めない3つの原則

フォームより先に意識すること

フォームを直すことに意識が向きすぎると、大事なことを忘れがちになる。

それは、走り続けることだ。

フォームを変えようとして体を痛め、走れなくなった。それでは本末転倒になる。

まずは今のフォームで、怪我なく走り続けること。それが40代のランニングで最優先にすること。

フォームへの意識は、走ることが習慣として定着してから、少しずつ取り組めばいい。走る前のウォーミングアップを丁寧にするだけでも、姿勢は自然と整ってくる。
【40代ランナー必見】走る前に膝・股関節を壊さないウォーミングアップ完全ガイド

40代がフォームより先にやること3つ

「フォームを直す」のをやめてから、代わりに意識するようになったことがある。

フォームはいわば「結果」だ。体の土台が整えば、自然とフォームもついてくる。そう考えて、次の3つを優先するようにした。

① 体幹を強くする

フォームが崩れる原因のひとつは、体幹の弱さだ。

体幹がしっかりしていれば、自然と背筋が伸び、腕の振りも安定する。意識しなくても「それなりのフォーム」になってくる。

フォームを直そうとするより、フォームを支える土台を作る方が先だと気づいた。

② 上半身をジムで鍛える

腕振りの弱さが気になっていたので、ジムでの上半身トレーニングを続けるようにした。

背中・肩・腕を鍛えることで、走るときの腕の振りに力強さが出てくる。「意識して腕を振る」のではなく、「振れる体を作る」という発想の転換だ。

③ 上半身の柔軟性を高め、リラックスして走る

ストレッチで上半身の柔軟性を上げることも、フォーム改善に直結する。

肩や背中が硬いと、どれだけ意識しても腕は自然に振れない。柔軟性があってこそ、体は楽に動く。

そして走るときに意識するのは、「リラックスすること」だけにした。フォームの細かい部分ではなく、肩の力を抜いて、自分のリズムで走る。それだけで、走り終わったあとの疲労感がずいぶん変わった。

まとめ|完璧なフォームより”自分のフォームで走り続ける”でいい

ガラスに映った自分を見て「もっとかっこよく走りたい」と思ったあの日から、いろいろ試してきた。

でも今は、今のフォームで走ることに満足している。

理想のフォームへの憧れはまだある。でも、それを追いかけるより、明日も走り続けることの方が、自分には合っていると気づいた。

40代のランニングに、完璧なフォームは必要ない。

今日も自分のペースで、自分のフォームで走ればいい。

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