ランニングを始めて3ヶ月くらいだっただろうか。
調子は絶好調だった。距離もペースも順調に伸びていて、走るのが楽しくて仕方なかった。
そんなある日、突然走るのが嫌になった。
正直に書くと、このスランプは一度きりじゃない。今も同じことを繰り返している。でも、何度も経験するうちに、抜け出し方も少しずつわかってきた。
走り始めて3ヶ月、調子は絶好調だった
走り始めて3ヶ月。ランニングは完全に生活の一部になっていた。
体力もついてきて、走れる距離も伸びてきた。ペースも自然と上がる。「自分、結構走れるじゃないか」と思える時期だった。
走るたびに記録が伸びる感覚は、本当に気持ちよかった。
毎週「記録更新」を目標にしていた
順調すぎたのが、よくなかった。
毎週、先週の自分を超えることが目標になっていった。今週はもう少し速く。今週はもう少し長く。毎回、何かしらの記録更新を狙うようになった。
気持ちが乗っているうちは、これでよかった。実際、自然と記録は伸びていった。
でも、それが当たり前になると、「先週を超えないと意味がない」という感覚に変わっていった。
体が重い日も、先週の自分を超えようとしていた
当然、体が重い日や調子が悪い日もある。
でも、そういう日でも「先週の自分を超えなければ」という気持ちが先に立ってしまっていた。
体は休みたがっているのに、頭は「もっと走れ、もっと速く」と命令する。今思えば、これがオーバーワークの始まりだった。
休む勇気を持てなかった。「ここで休んだら、記録が伸びなくなる」と思っていた。
気づいたら、走るのが楽しめなくなっていた
そうやって自分を追い込んでいるうちに、ある日気づいた。
「あれ、走るのが楽しくない」
走る前から気が重い。シューズに足を入れる時間が、義務のように感じる。走り終わっても達成感より「やっと終わった」という気持ちの方が強い。
あんなに楽しかったランニングが、いつの間にか苦痛になっていた。
これがスランプというものだと、あとから理解した。
練習記録を見返して、気づいたこと
スランプから抜け出すきっかけは、これまでの練習記録を見返したことだった。
「最近全然走れていない」と感じていた。でも、客観的に記録を見ると、そこまで悪い数字ではなかった。
調子が悪いと感じていた感覚と、実際の数字には大きなズレがあった。
自分の感覚だけを頼りに「もっと、もっと」と追い込んでいたから、実態以上に「悪い」と思い込んでいたのだ。
記録を残しておくことの大切さは、こちらの記事にも書いている。
「走るのがしんどい日」をどう乗り越えるか|40代ランナーのモチベ管理術
40代でタイムを狙いすぎるのは、本末転倒だった
そこで、ふと立ち止まって考えた。
40代の自分が、毎週記録を更新することにどれだけの意味があるのか。
大会に出るわけでもない。誰かに勝ちたいわけでもない。ただ「自分を超えたい」という気持ちだけで、自分を追い込んでいた。
そして、その追い込みのせいで、走ること自体を楽しめなくなり、最悪の場合は走るのをやめてしまうかもしれない。
これでは本末転倒だ。
「継続することにこそ意味がある」と思い出した
40代でランニングを始めた本来の目的は何だったか。
健康のため、気分転換のため、自分を整えるため。タイムを縮めることが目的だったわけじゃない。
「続けることにこそ意味がある」
当たり前のことを、自分はいつの間にか忘れていた。記録更新の魔力に取り憑かれて、ランニングの本質を見失っていた。
そう気づいてから、ペースを意図的に落とした。走る日も減らした。「楽しめる範囲で走る」を最優先にした。
すると、不思議と走ることがまた楽しくなってきた。
走り続けるなかでメンタルが変わっていく感覚については、こちらの記事にも書いている。
「走り続けてメンタルが変わった」誰にも話していない40代の正直な話
実は、何度も同じスランプを繰り返している
正直に書く。
このスランプ、一度きりじゃない。その後も何度も繰り返している。
調子が良くなってくると、また「もっと、もっと」というスイッチが入る。気づくとペースを上げ、距離を伸ばし、毎週記録更新を狙い始める。そしてまた疲れて、また走るのが嫌になる。
過去の自分を超えたいという気持ちは、悪いことじゃないと思う。むしろ、向上心は大切だ。
でも、それで継続できなくなったり、楽しめなくなったりするなら、本末転倒だ。
同じ過ちを何度も繰り返すなかで、少しずつ考え方が柔軟になってきた。「がんばる」と「楽しむ」のバランスを取ること。40代のランニングには、それが必要なのだと思う。
走っているときに頭の中で何が起きているか、こちらの記事も参考にどうぞ。
走っている30分間、頭の中で何が起きているのか|40代が体験した”ゴミ→無→答え”の流れ
まとめ|”自分を超える”より、”楽しんで続ける”へ
スランプは、誰にでも来る。
特に40代でランニングを始めた人は、調子が良いときほど自分を追い込みがちだ。「もっと走れるはず」「先週を超えなければ」という気持ちが、いつの間にか自分を苦しめる。
そんなときは、思い出してほしい。
40代のランニングは、自分を超えるためじゃない。続けて楽しむためにある。
記録が伸びなくてもいい。先週より遅くてもいい。今日も走れたなら、それで十分だ。
そう思えるまでに、自分は何度もスランプを経験してきた。そしてこれからも、また同じ過ちを繰り返すかもしれない。それでも、走ることを楽しみ続けたいと思っている。


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